'static + Life

運良く生きています

流れに乗る

Model Context Protocol (MCP)*1 をちょっと前に始めて使った。

とても便利だった。 とりあえず AWS Knowledge MCP Server*2 やら Cloudflare Documentation MCP Server*3 やら Terraform MCP Server*4 の Terraform Registry Integration 機能など、基本的にドキュメント周りを見る必要がある部分をやってもらっているがけっこういい感じ。

自分の場合は、調べ出すとタブが 30 個とか 40 個とか莫大に増えていっていつの間にか調べる目的を見失うことはままある。 MCP 使っている、なんならこのエントリを書いている今でも多分がかなりひどい状態ではあるが、作成したプロンプトを辿れば何を調べようとしたのかけっこう原型が保っているのでなんとか再開できる。 FirefoxTree Style Tab を使えと言われたらぐうの音も出ない気がするけども…。

褒め称えているけれども、全然触りしかやってないのでまだつまずきポイントに至ってはいないとは思うし、いずれ文句はけっこう出てくるとは思う。 API トークンが必要な MCP の扱いやら、その操作とか現状そこらへんは色々悩みどころが多い。 あんまり特権的な機密情報をローカルで持ちたくないというのもある、けっこう迂闊な人間なのでうまいセーフティを設けないとやらかす自信がある。 でも、そこらへんは今後なんとかなるだろう*5という期待感をもってなんとか接している。

正直言うと、高性能な生成 AI 自体が話題になってた当初はなんか出てるな〜と思って、なんか落ち着いた後ぐらいで触るか〜ぐらいに思ってて流れに乗れなかった。 理由は単純で、ただただ面倒だったから。もちろん、逆張り的な精神もあったけれども。

そうこうしているうちに、使っていると思われる人やそれ以外からのネガティブな話だったり、うっすい人間*6のうっすい話だったりがけっこう流れるようになってくる。 前者はそれ自体は内容に正当性があるので首を縦に振って「そうだよな〜」みたいな感じで何故か頷く、使ったこともないのに。 後者はよく揶揄される対象ではあるので、そのまま表に出さずとも馬鹿にすれば "楽" ではあった。

ただ結局、それは目の前の現実から逃げているだけでなんの解決にもならなかった。 自分がやっていることは浅瀬でちゃぷちゃぷしながら、遠くで泳いでいる人を冷笑することで自分の不安を紛らわせるのと等しかった。 懐疑的になるのはいいが、中身を見ずに表層だけ見ているならばそれは懐疑ではなく臆病でのろまということを隠しているだけである。

もう少し時間が経ってから、落ち着いてきたらとは言うが、一体いつまで待てばいいのか? 使った人の苦労話がいろんなところから流れてくるが、それはその人の話であって参考になれども自分の話ではないはずだ。 そして、その人の言うことをそのまま左から右へ流すことに果たして意味はあるのか?実際に触ってもいないのに。

浅瀬でちゃぷちゃぷしないで浮き輪でも持って流れに乗るべきことを自分は怠っていたのである。

うちの id:onishi さんは以下の言葉を残している:

手を動かした人だけが世界を変える

いつの間にか自分は手を動かさない、世界を変えようともしないつまらない人間に成り果てようとしていた。